イラクと米国の大学が提携、交流へ 北部ティクリート

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ロンドン(CNN) イラク北部のティクリート大がこのほど、米サウスカロライナ大と提携関係を結び、経営学の分野で共同研究や学生の交換留学を目指すことになった。互いの長所を生かした交流活動により、イラク復興に向けて主導的な役割を果たしたい構えだ。

ティクリート大は首都バクダッドの北約160キロに位置し、学生数は約1万5000人。政府からの予算は少なく、書籍や教材の不足、時代遅れの通信設備などに悩まされてきた。戦争の混乱で十分な教育を受けられなかった学生が多いことも、大きな課題となっている。

サウスカロライナ大との提携を持ちかけたのは、米大使館の復興チームだ。同チームのブレット・ブルーン氏はCNNとのインタビューで、「相互利益に基づく関係」を強調した。「ティクリート大には、イラクの経済環境やビジネスチャンス、市場動向などに関する豊富な研究成果がある。サウスカロライナ大と共同でビジネス研究センターを設立することにより、外国企業からの投資を促進するのが目標だ」という。

サウスカロライナ大のケンドール・ロス教授は最近、ティクリート大を視察に訪れた。イラクの大学教育が直面する数々の問題を目の当たりにする一方で、同大教授陣の意気込みに圧倒された、と語る。「イラクの復興、安定化に教育が大きな役割を果たすことを自覚し、世界に通用する教育を提供したいと願う情熱が伝わってきました」

ブルーン氏によれば、ティクリート大には国内の大学で初めて、光ファイバー・ネットワークが導入される計画。これを利用すれば、世界中からの最新情報が瞬時に手に入るようになるうえ、インターネットを通してサウスカロライナ大の学生たちと討論したり、互いの講義を受けたり、共同研究を進めたりすることが可能になる。

ティクリート大の教育には、討論よりも講義を中心とする形式や、旧政権の経済思想を色濃く反映したカリキュラムなど、イラク独自の特徴がある。ロス教授は「米国式のやり方を押し付けるつもりはない。ティクリート大は自国の文化や需要に応じた教育内容を定めていくべきで、われわれはその手伝いをしたいと考えている」と述べた。

長期的な交流につながる次の一歩として、来年1月にはティクリート大の教授陣が、サウスカロライナ大を訪問する予定だという。
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