トルコ首相:イラク首相と関係強化を確認、天然ガス取引も
【エルサレム前田英司】トルコのエルドアン首相は15日、イラクの首都バグダッドを訪れてマリキ首相と会談し、両国関係の強化を確認した。ロイター通信などによると、イラクの天然ガス輸出を巡る覚書を含め、両国は約50の合意文書に署名した。
トルコ・イラク関係は、イラク北部に潜伏して対トルコ武装闘争を展開する非合法組織「クルド労働者党」(PKK)を巡り、政治的な緊張が続いている。しかし、経済的には03年のイラク戦争を契機に大きく進展。トルコ企業が復興のけん引役を果たしており、イラクは、トルコにとって欧州域外で第2の輸出相手国になっている。
両国は今回、イラクの天然ガスをトルコに輸出する交渉に入ることで合意した。輸出量は80億立方メートル以上とされ、トルコはこれを欧州向けパイプライン「ナブッコ」などに送り込む「資源集積地」の地位を確立したい狙いだ。一方、イラクにとっても安定供給路の確保につながるメリットがある。