バグダッドの病院に太陽光発電導入、「暗闇に光」と医師

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バグダッド(CNN) イラクの首都バグダッドのある病院に最近、太陽光発電設備が導入された。「暗闇に希望の光が差したようだ」と喜ぶ医師に、CNN取材班がインタビューした。

アルダキル医療センターに、真新しい太陽光パネルが設置されたのは4カ月前。米軍が出資、イラク保健省が協力するプロジェクトで、国内3病院が対象となった。

「患者たちが必要とするケアを、24時間いつでも提供できるようになった」――同センターのサメル・アルムサウィ医師は、満面の笑顔でそう語る。

電力供給が不安定でしばしば停電の起きるイラクでは、大半の病院が1日に数時間しか開かない。医薬品を適切な温度で保管することもままならないのが現状だ。「ワクチンが保管できなくて、子どもたちへの接種プログラムを断念したこともある」と、同医師は振り返る。24時間態勢の医療は、同国の医師らにとって夢のような話なのだ。

同センターではそれが、パネルの設置によって一変した。「ここを訪れる患者がみんな、最善の医療を受けられるように――それが私の最大の願いだ」と、サメル医師は力を込める。

実は取材班が訪れる直前、設備の心臓部の回路が何者かにいたずらされ、バッテリーにたまった電力を取り出して使うことができなくなっていた。修理が完了するまでの間は、ほかの多くの病院と同様、コストがかかり大気汚染も懸念されるディーゼル発電機に頼るしかない。だがサメル医師は「数日以内にはまた、太陽光発電ができるようになる」と、あくまで楽観的。「バグダッドでの長年の医師生活で、はるかに悲惨な状況を目の当たりにしてきた。この程度の問題は軽く乗り越えられずはずだ」と、明るい表情で語った。

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