イラクが戦う最新の敵、砂嵐


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【7月19日 AFP】イラクの首都バグダッド中心部にあるイブン・ナフィス(Ibn Nafis)病院の救急外来室で、46歳のサーディ・イブラヒム(Saadi Ibrahim)さんは酸素マスクをかぶって座っていた。

 イブラヒムさんの声はかろうじて聞こえるほどのささやき声だ。その原因はイラクを襲っている最も新しい災難、砂嵐だ。イブラヒムさんは言う。「砂嵐はほんとうに耐えられないよ。息もできない」

 夏の始まりとともに、イラクではほぼ毎日砂嵐が各地を襲うようになり、ただでさえ困難な暮らしをいっそう苦しめている。病院には呼吸器官にダメージを受けた人たちが何百人と押し寄せ、バグダッドの国際空港は砂嵐で視界を奪われ、これまで数十便のキャンセルが出ている。

 強風の砂嵐のときには、市民は路上で1個250ディナール(約20円)で売っているマスクをして歩いている。

 砂嵐への対処がいっそう難しいのは、電力供給が不安定だからだ。50度の猛暑にもなるなか窓を閉めることができず、風を入れようとすれば砂が入り込む。「家に電気が通るのは1日2、3時間だけ。だからドアも窓も開けっぱなしにしておくしかない。とにかく暑すぎる」と病院の別の患者は言う。

 イラク環境省で砂漠化対策局の責任者を務めるイブラヒム・シャリフ(Ibrahim Sharif)氏は「90年代には砂嵐の発生は平均で年間8日間だった。それが今では、ひとつも砂嵐のない週がない」と訴える。「イラクの国土は乾燥地帯と半乾燥地帯だ。雨のない季節がいくつか続き、植生が壊滅してしまった。さらに土壌や砂をとどめる植物がなければ、風が吹くと飛散してしまう」

 シャリフ氏によれば、イラクを約30年間にわたり混乱させてきた戦乱にも一因があるという。イラク南部から中心部にかけて軍事車両によって緑地帯が破壊され、それによって生じたちりが夏になるとイラクに吹く「シャマル」という季節風によって吹き飛ばされるのだという。
コメント:具体的な改善方法はないのでしょうか?水撒きとか…
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