イラク石油産業、復興の兆し=生産、戦争前の水準に戻る

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 米軍のイラク侵攻から7年経過した今日、イラクの石油産業がようやく復興の兆しをみせている。米国が軍事作戦開始当時期待していた復興の兆しで、戦争で疲弊した同国経済全体にも寄与する可能性がある。

  イラクの石油生産は曲折を経た後、戦争前の水準に戻った。同国政府は、国際石油会社各社に対する油田開発権の付与を受けて石油生産が大幅増加の途上にあるとみている。イラクは政府収入の90%を石油輸出に依存している。このため石油の増産は、既に成長を再開し、低インフレを享受している経済全体に広範囲に寄与すると予想されている。 

 ただし誰もイラクの経済的な奇跡を予測してはいない。同国は依然として長年の国際的な制裁、投資不足、拙劣な中央管理型の経済から離脱していない。失業は依然として高水準で、職のない若者が反政府活動に向かうリスクがある。停電はしょっちゅうで、暮らし向きは米軍侵攻以前のほうがましだったと住民たちは不平を言う。 

 ブッシュ政権(当時)は侵攻の際、石油のための戦争ではないと強調していた一方、ワシントンの政府高官は軍事作戦初期、イラクの石油の富は経済再建の即効薬になると述べていた。 

 しかし、外部の資本とノウハウを誘致するもくろみは長年にわたって失敗した。軍事侵攻の間、石油生産はゼロとなった。それ以降、石油インフラと電力網が略奪された。その後、油田への外国投資に政治的に反対する声が強まった。

  現在、イラクの推定によると、同国の産油量は日量約250万バレルで、外国への輸出量は約200万バレルに達している。これはほぼ戦争前の水準だ。 

 昨年、マリキ政権は油田の入札を断行し、世界最大級の石油会社の一部誘致に成功した。石油会社は長い間閉鎖されていたイラクの油田に参入するため厳しい条件を受け入れた。

  参入したのはエクソンロイヤル・ダッチ・シェルトタル、ENI、OAOルクオイルなどだ。中国の石油会社も同様で、現在イラクの油田に投資する最大級の外国勢となっている。 

 英石油大手BPと、パートナーの中国石油天然ガス集団(CNPC)はイラク南部にある同国最大のルメイラ油田で掘削する権利を獲得した。BPは約150億ドル投資して、石油生産を現在の日量106万バレルから2017年までに285万バレルにまで拡大する方針だ。 

 イラクの石油当局者は、早ければ来年末までに日量生産能力を25万バレル追加したいという。すべての石油会社が生産能力拡大の約束を順守すれば、事業計画では2017年までにイラク生産能力は日量1000万バレルになる。

  しかし、政治不安もある。3月の総選挙の後6カ月間たっても政治家たちはまだ、新政権をめぐって争っている。一部には油田開発で与えた利権の見直しを公約にする大物政治家も何人かいる。 

 他の経済指標も芳しくない。現在のイラクの電力生産は米軍侵攻前を大幅に上回ってはいる。しかし、7年間で需要も急増し、電力網が戦争前よりも疲弊しており、停電が慢性的になっている。

 IMFイラクの今年の国内総生産(GDP)の成長率は7%を超えると予想。IMFによって初めて信頼できる経済指標が発表された2005年は0.75%のマイナスだった。

 イラク中央銀行によると、6月のインフレ率は2.7%と、過去30年間で最低水準の上昇幅だった。2005年には37%だった。

 失業率は公式発表で20%に達しているが、これも以前に比べれば改善している。中央銀行によれば米軍侵攻前は50%だったという。8月27日11時28分配信 ウォール・ストリート・ジャーナル
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